第22話



*****




パーティーの当日は、私の心とは裏腹に、憎らしいぐらいの晴天で。



恨めしげに、空を睨む。




「台風にでも、なれば良いのに。」




溜め息を吐き出して、しぶしぶ準備に取り掛かる。



今日の衣装は、着物。




へこたれた顔を周囲には見せられないと、気合いを入れて着込む。




そうしていれば、予定の時間で。




「お迎えに参りました。」



迎えの車が来る。




………忌々しい男を伴って。




「奥様、どうぞ。」



「……。」




後部座席のドアを開け、頭を下げる秘書の隣を無言ですり抜け中に乗り込む。




「……主人は?」



ーーのに、中に主人の姿はない。

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