第18話




「茉莉、ちゃん。」



お母さんが困っているって言うのに、貴方は何をしているの?




「あんなに可愛がってあげたのに、茉莉ちゃんも役に立たない子ね。」



母親の為に、役に立ちなさいよ。



それぐらいするのが、当然でしょう?



私は、貴方の母親なんだから。




「っっ、それなのに、」



忌々しさに、親指の爪を噛む。



本当、私の子は役立たずな子なんだから。



今、こんなにも必要としているのに。




「あの子が手元にいれば、裕福な男を見繕って、私は自由を得られたのに。」



一思いに、夫を捨てられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る