第17話



ねぇ、どうしてよ。



貴方は、自分の会社よりも私の方が大切ではないの?




「っっ、私より、会社、ですか?」



「当たり前だろう?」



すがる私に、夫は鼻を鳴らす。



それ以外、何の価値がないと言わんばかりに。




「特になんの理由もないのに、お誘いを断れる訳がないだろが。」



「っっ、」




夫からの侮蔑の眼差しに、また唇を噛む。



屈辱だ。



どうして、私がこんな目に合わなくてはいけないの?




「妻の役目を果たせ。」



「………。」



「今のお前には、それしか用がない。」



吐き捨てられた残酷な夫の言葉の理不尽さに、怒りが込み上げる。

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