会話文・地の文の比率はどれくらいが読まれやすいか

 今回は「会話文と地の文の比率がどれくらいだと読まれやすいか」についてです。書籍化されたラノベから比率を割り出し、それをカクヨムでの執筆に役立てる作戦です。もちろん、作者によって比率は異なりますが、参考になるかと思います。ベストな比率が分かれば、第二話への継続率が高まると考えます。早速、検証に入りましょう。



 参考図書は『本好きの下剋上』です。この作品をランダムで10ページ開き、会話文・地の文の比率を割り出しました。ただし、作者によって比率が異なるはずなので、参考値です。



地の文の比率:5〜6割

会話文の比率:4〜5割



 香月美夜さんの作風では会話文が多めの印象です。



 では、カクヨムランカーの作品はどうか。執筆時のトップ3の作品の第一話で計測したところ、会話文が4割の作品が多めでした。自作はどうかというと会話文が4割でした。



 これらから考えると、会話文は4割ないと、第二話へと進まないと思われます。会話文は読みやすいですから、予想されていた結果ではあります。PVが伸び悩む場合、読まれない理由はここにあると考えましょう。「中学生高校生が書いた小説がなぜ上位にいくのか」という議論がありますが、公募を意識せずセリフ劇に近いからだと思います。



 話は脱線しますが、近況ノートで登場人物の能力や地図などを紹介する場合を見かけます。私はこれには否定的な立場です。未読の人にとってはネタバレになるからです。



 『本好きの下剋上』を読んでいる知人は、「冒頭にある人間関係図がなければ頭で整理できない」と言っていました。これは書籍化された作品ならではの強みだと思います。カクヨムで書籍化を目指す場合は、近況ノートを使わなくても追える内容が求められるのだと思います。そして、書籍化されてはじめて、関係図を使えるようになるのではないでしょうか。



 検証がメインだったので、短いエピソードとなりました。参考になれば幸いです。



追記

 谷川流さんの『涼宮ハルヒの憂鬱』のプロローグ及び第一話は9割くらいが地の文でした。これは時代の流れで比率が変わっていることが如実に表れています。

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