第5話 王子には裏の顔があったっていい。
「ふわああぁ……」
目の前に広がるだだっ広い校舎。
膝下丈の焦げ茶のスカートに身を包む美少女たち。
同じく焦げ茶のブレザーに袖を通す美少年たち。
ゲーム内のオープニング映像じゃん……
神演出キターーーーーーー!!!
「Aちゃん、早く行こうよ~」
「はっ。すみません。いま行きます」
アリスたんが先導する。
風に靡くゆるふわ髪……可愛い超えて女神。
駆けていくアリスたんを追いかける。
息がめっちゃ上がってるわ、私。
体力が……ない!!
「ぎっ!」
「うわっ!!」
目の前がぼんやりしてきたとき、目の前の壁にぶつかった。
あ、壁じゃないわ。人だった。
「すみません。ひきこもりもやしめがぶつかってしまい」
すぐさま謝る。
日本でもそう。悪いと感じたらすぐ謝り、その場を去る。これ、常識。
「僕の方こそ、怪我はない?」
相手方が手を差し出してくれた。
いやいや感謝感謝。とってもいい人のようだ。
「ありがとうございま……」相手方に感謝をのべようとして顔を上げたら……
リシュ王!!!???
説明しよう。
リシュ王こと、アイリッシュ王子はスクールモードの攻略対象の1人。この作品の看板を背負うイケメンの1人なのだ。
この国の第一王子にして、性格は爽やか。白馬に乗ってる王子様のようだ。しかしながら、実はヤンデレ依存気質であり、リシュルートのとき、主人公は些細な選択を間違えただけでゲームオーバーになるという、セーブ必須キャラでもあるのだ。
「はわわ…顔良……」
「ごめんAちゃん。置いていっちゃって。」
「??この子はアリスの友だちかい?」
私があとからついてこないことに気づいたアリスたんがやってきた。そして、リシュ王と会話を始める。
リアルCPイベントじゃん…しかも、これ、ゲームになかったやつ。
もしかして、私という存在が新たなイベントを作ってる?
!!!!!!!!???????
ってことは、私の行動で新たな推しの一面を見ることが可能ってこと!?
なにそのご褒美チート。天才かな?この世界の神様は天才なのかな?
「友だちのAちゃんだよ」
「よろしくね、Aさん。俺はアイリッシュ」
「はわわ……Aです。あの、失礼でなければなんですが、おふたりはどのような関係で?」
好奇心が抑えられなかった。
リシュ王とアリスたんのCPも捨て難い。私は全CPを愛しているから!!
「関係?友だちですよね?」
「うん、そうだね。」
「なるほど……」
これでアリスたんはリシュ王ルートにはまだ進んでないことが確定した。
となると、誰ルートを進行しているんだろう…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます