マラガン公爵とルヴェーラ
シアーノ伯爵の書状を手にルシアス達はマラガン公爵の元へ訪れていた。マラガン公爵の元には数名の臣下とメリオス王子がいた。手紙を読んだマラガン公爵は内容を呼んだ後、口にした。
「ふむ、アルバ侯爵とサヴィーニ伯爵がアダイト大公と手を結び、シアーノ伯爵は沈黙する貴族達と同盟を結ぶか、、、。それで異国から来た者達よ、我らにシアーノ伯爵の側につけと?」
マラガン公爵の質問にルヴェーラが答える。
「はい、マラガン公爵閣下。シアーノ伯爵は民と王国の事を考えています。それは閣下も同じはずとシアーノ伯爵は考えていらっしゃいます。」
「私はこのメリオス殿下を王にと考えているのだぞ?沈黙する貴族の多くはシンビス殿下こそ正当なる後継者と考えているはず。それには納得しないだろう。」
「閣下、貴方の本当のお気持ちはラファールの様に自身の権力の為に新たな王を立てそれを陰から操ることですか?」
「若造が!魔法使いか知らぬが知った風な口を聞くな!!」
「、、、、、。」
「、、、、私も常時であればシンビス殿下を王に立てただろう、しかしラファールの奴が権力を握れば政敵である私やそれに付き従う貴族達、そして王位継承権をもつメリオス殿下も危険に晒されるのだ!!」
怒鳴るマラガン公爵にメリオス王子が言う。
「アルフォンス叔父様、僕、王位なんてどうでもいい兄上に会いたい、、、、。」
「この国の現状でみればエスト王国の危機は宰相ラファールだけではありません。アダイト大公の勢力は勢い増していて、このままアダイト大公が王になればメリオス殿下もシンビス殿下も、そして閣下の同志の貴族達も危険に晒されるでょう。
「、、、、、、そうだな、その通りだ若き魔法使いよ。」
マラガン公爵とルヴェーラのやりとりを聞いていた臣下の一人が言った。
「閣下、私もシアーノ伯爵と同盟を結ぶべきかと。」
「、、、、若き魔法使いよ。同盟の条件は?」
「ありません、今はシンビス殿下をラファールの元から救いアダイト大公とラファールの軍に勝利することでしょう。」
「いいだろう。今からシアーノ伯爵に書状を書く。」
マラガン公爵が書状を書き終えるとその場に息を切らせた衛兵が来て伝言を伝える。
「マラガン公爵閣下!!アダイト大公の軍がシンビス殿下の救出を掲げてラファール王都に向けて進軍を開始した模様です!!」
「なんだと!?直ぐに会議を開くぞ!、、、、、若き魔法使いよ貴公らはどうする?」
「私も参加させていただきたく思います。」
「ふむ、それならばと共に向かおうぞ。」
「ルシアス、あなた達はシアーノ伯爵の元へ!マラガン公爵とシアーノ伯爵の連絡を即時する為にバルアを私の元に預けて下さい。」
「分かった!」
「ルシアス。ルヴェーラの護衛として私もここに残るわ!」
「ルシアス!私もセシルさんと残るよ!!」
「ルヴェーラ、アルマ、セシルさんお気をつけて。」
ルシアス達はルヴェーラ、アルマ、セシルと一端分かれてシアーノ伯爵の元へと急いだ。
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