第22話 厭世主義
貴方がいる部屋に飛び込んだ時、まず良かったと思った。貴方はこの部屋で自らの死を迎えたのだ。芳しい匂いと、数多くの同胞に迎え入れられて。
当然、私も貴方の後を追って、この部屋に飛び込んだわ。……ええ、私ももう、気づいている。これはそう、人間の罠。――ホイホイというやつね。
ふわりと部屋が持ち上がった。私達を覗く双眸が、ニヤリと笑う。
間違いない。この人間はやがて悪事を成し、こう高らかに叫ぶのだろう――。
「この世の全てが憎かった。だから――」
やがて逸らされた双眸は、いつかの誰かと同じそれだった。
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