第7話 輝かしい未来のための悪なき正義法

 とある総理大臣の時代に、「輝かしい未来のための悪なき正義法」が可決された。

 まずはじめに上流階級の特権が廃止された。その次に税制優遇措置の撤廃。社会保障の自助努力推奨。年金制度の全面廃止。

 

 故人財産没収。

 婚姻出産管理。

 移民受入拒否。

 

 子供の数は増えたが、老人の数は減っていく一方だ。それでもこの国には、輝かしい未来が待っている。悪なき正義の名の下に、すべては国によって管理され、不穏因子はことごとく排除されたのだから。

 

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