第31話
「恵ーっ、移動教室行かねーのー!?」
「あ、俺先に図書館に…」
図書館経由で行くから、と返そうとした瞬間に視界に入った時計を見て慌てて口を閉じる。
「えー?」
「待ってくれ親友…!!」
こんなに時間経ってるとは思わなかった…!
俺を置いていかないでくれマイフレンド…!
と、ふざけて全力で演技をしてみたら、駆け寄った先の親友が
「お前を置いて行くわけないだろう…!?」
更に凄い演技を披露してくれた瞬間、俺は思ったんだ。
高校入学から数日でここまで仲良くなれるってすご、
「はいそこの熱い抱擁かわしてる二人組、もうすぐ授業始まるぞー」
「やっべ! はーい!」
「そうだよ移動教室だった! 俺としたことがつい便乗してしまった…!」
先生に声かけられなかったらあのまま演技続行だったわ! と笑う親友に「俺も俺も!」と伝えながら全力で走った結果、無事間に合いました。
川内桃と柏木太平とは 穏やかな性格を持つ眼鏡をかけた冴えない少女と、枯れを知らない変態狼である。……が、少女は眼鏡を取ると途端に周りを虜にし、狼は後輩思いのナイトであるというのは知る人ぞ知る紛れもない事実である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます