第28話
「何してんすか柏木先輩…」
今度は俺の後ろから聞こえた声にバッと振り返ると、柊先輩が面倒臭そうに立っていた。
「おー、隼人! 相変わらずくっそ生意気な格好やなぁ!」
「アンタにだけは言われたくないっすね。つーか、大事な庶務に手出さないでくれます?」
元気いっぱいの柏木先輩に、無気力極まりない柊先輩。
なんかもう、この二人の間に挟まれてる俺も可哀想だけど柏木先輩に目隠しされたまま「えっ? えっ?」と不安そうにしている川内先輩が一番の被害者かもしれない。
「俺は眼鏡を落とした桃を救うために颯爽と現れたヒーローやで!?」
少しは先輩を敬うとかしたらどーなんやっ。 と笑う柏木先輩。
「あー。それはどうも」
「す、すみません私がうっかり転んでしまったばっかりに…」
いやもう、柏木先輩はそろそろ川内先輩の目から手を離してあげるべきなんじゃ…と思い始めた頃
「じゃ、後は隼人に任せて俺は女の子と保健室でイチャラブや♪」
中々の衝撃発言を残して、柏木先輩はるんるんでその場を去って行った。
なんかもう、色んな意味で凄いなあの人…。
しかもなんか、いい感じに憎めなさそうなところがまたなんともいえない…。
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