第11話

……うん。


『カップラーメンの美味しい作り方!』1巻から5巻までを皐月先輩が読むだろうか、いいや、読むはずがない。



「もしかして次借りる予定…なのかな?」



沢山荷物を抱えている俺の負担を減らそうとしてくれているのかもしれない、流石会長! なんて思っていると、なんか……あれ? もしかして本気で落ち込んでる…? え? え?



「あ、いやっ、急いでる友達に頼まれただけなんで俺は別に…」


「じゃ、じゃあいいかなっ?」



え、なんでこの人こんなに目輝かせてんの?


『カップラーメンの美味しい作り方!』1巻から5巻までって、もしかしてそんな有名な本…!?



「ど、どうぞ! っていうか、こちらこそなんか持っていただいてありがとうございます」



ペコリを頭を下げると、皐月先輩はそれはそれは嬉しそうに「こちらこそ」と言って立ち去って行った。


ちょっと今の俺、皐月先輩があの本を借りるってなった時の図書委員の反応物凄く見たいんですけど…。

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