第10話
「っわ!? すみません俺前見てなく……て……」
「なんか沢山持ってるね、大丈夫?」
振り返りざまに歩こうとしたら、ドンッと誰かにぶつかってしまった。
慌てて謝ると、体育館で聞いたあの凛とした声が、生徒全体に対してでなく俺一人に声をかけていた。
「えと、そんな持ってないっす大丈夫です!」
うわ、会長だ。間近で見ると更にお綺麗…!!
ぶつかったのは申し訳ないけど、俺ラッキーかも。
「地球儀3つと本5冊……と、鍵も? 結構だと思うけど…」
そう、1個ずつかと思いきや、実はこの短時間で地球儀3つと鍵と本を5冊もゲットしてしまった俺。
正直、本をどっさりと持たされたあたりから「くっ…これは俺の使命だ頑張れ!」なんて変なモードに入ってはいた。
「そ、そんなことより皐月先輩お怪我とかないっすか!?」
つーか、そうだよ!
俺、ぶつかってラッキーとか思ってしまったけど、ものすげーぶつかり方した気がする…!
「うん、全然平気。それよりこの本、借りようと思ってたやつだから私が図書館まで持ってっていい?」
「え……」
皐月先輩の言葉に驚き、さっきふと見た本のタイトルをもう一度確認する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます