第29話
―――…
「…人多いわね」
満員の一歩手前の状態にある車内。
どうも人混みが苦手らしい美鈴は少し鬱陶しそうな表情をしている。
ま、俺も同感。
人混みは煩いし妙に暑いし、最悪な時にはいろんな香水の匂いが混ざり合って気分が悪くなる。
しかしまあ、こういう場合は男が女をどうにかしてやるのが常識で、
「美鈴、こっちに居ろ」
比較的ドアに近い場所に居た俺達。
腕を引き、美鈴を壁際に移し、その前に俺が立つ。
簡単にいえば、俺が美鈴と人混みとを分ける壁になったってわけだ。
「…ありがとう」
「ん」
そう返事をすると、タイミング良く電車が動き出した。
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