第39話


眉をひそめる。




「…………あ?何だ、これは。」




皺が寄る書類。




握る俺の手に、力が入っているからで。





「若?キレても良いですが、物は壊さないようにして下さいね?」



「……分かってる。」




憮然と答える。




初めて欲した女のあまりの環境に、キレそうな俺に忠告はするけれど、止めはしない大雅。




分かっているからだろう。




キレない方が、無理だと言う事が。

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