環境文楽の試み
色街アゲハ
第1話 川のほとりに
川のほとりに一人いて、
流れる様子を眺めていたら、
こんな風に一緒になって、
何処までも流れて行けたら、と。
何処までも何処までも、
何もかもをここに置いて、
すべて忘れて、何処までも遠くへ、
流れる水と一緒になって。
自分の事を誰も知らない所まで。
二度と戻れない、
帰れない、
そんな気ままな旅路へと、
漕ぎ出す 事が 出来たら、 と。
いずれ、 きっと、 辿り着く、
白い波、
白い雲、
互いに混じって、かすれて、消えて、
そうして、 再び、 生まれる、
白い泡。
青いうみ、
青いそら、
合わせ鏡の、上と下。
二つの合わさる、そのまた向こうに
何時しか、きっと、流れ着く。
それを信じて、
川のほとりに、
佇んで、
水に手を入れ、
感じる冷たい、
感触に、
この身を浸して、
何時までも、
そうしていた。
終。
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