第2話私の正体は‥‥ 前編
遡ること5年前私は異世界から転生したことに気づいた。転生する前は魔法、スキルのある世界で私は女勇者をやっていた。そこは魔王が人間を滅ぼそうとしていた。そこで突如ただの村人だった私が神から神託を受け勇者に覚醒した。神託の内容は悪あくを滅ぼせだ。神からいただいた聖剣を手に魔物や魔族を倒し人間の地の勢力を広げていった。
私は賢者、聖女、召喚士、剣聖の5人パーティーで行動していた。だが4人は名ばかりの使えない奴らだった。皆貴族で私は平民だからバカにし全て私に魔族、魔物の討伐を押し付けた。
この4人に文句を言いたいが私の家族、村人達が王国の人質になっているから迂闊な事はいえない。名ばかりの剣聖はこの王国の王子だから。
私は疲弊しながらも魔王四天王を倒しついに魔王の玉座まで辿り着いた。もちろん1人だ。他の奴らは安全な場所にいるんだろう。私は早く魔王を倒し家族の元に戻りたい思いで我慢してここまできた。
「よくここまでたどり着いたな勇者よ!褒めてやろう!さあ、殺しあおうぞ勇者よ!勝った方が
玉座に座ったすらっとし人間の容姿をした男がいた。頭に角があるから人間ではなく魔族だろう。そしてこの圧力は魔王に間違いない。
魔王は魔力を全開放して本来の姿になった。本来の姿は禍々しい巨大な黒竜だった!今まで殺してきた魔族や魔物とは桁違いの強さを感じた。
「くぅ、私は負けない!勝った方が悪じゃない!勝った私が正義だ魔王!」
私も聖剣を全開放した。神気を帯びた状態になり全てのステータスが上がった。
「ほぅ!少し神気を感じるな!さあ、行くぞ勇者」
2人の激闘の殺しあいは半日にもおよんだ。勝敗は‥‥‥
「はあ、はぁ、はぁ、これで‥‥トドメだ‥魔王」
自分は全身傷だらけになり魔王城は破壊され辺り一面焼け野原になっていた。魔王はもう起き上がる元気がなく黒竜から人間の容姿になっていた。
「‥勇者よ‥久々に楽しかったぞ‥‥またやりたいの勇者よ‥」
魔王は今にも死にそうなのに晴れ晴れとした顔をしている。
「何か‥言い残すことはない‥魔王?」
私も魔王と戦って楽しかった。勇者になってから対等に相手をしてくれる人がいなかったから魔王に情が湧いてしまい魔王に語りかけてしまった。
「‥優しいな勇者よ‥そうだな‥もうこれ以上我が同胞を‥‥殺さないでくれるか‥勇者よ‥元は皆‥静かに暮らしたい‥者ばかりなのでな‥グハァ」
魔王が大量の血を吐いた。もう
トドメを刺さずとも死んでしまうだろう。
「わかったわ!‥もう決着がついたんだから‥無駄な殺しはしないと約束するわ」
「‥あぁ、ありがとう‥今度‥生まれ変わったら‥勇者と‥一緒になり‥たいの‥」
魔王がなぜか愛の告白をしてきた。
「バカいってんじゃいわよ!私より強い人じゃないと一緒にはならないわ!まぁ、従者か相棒なら一緒になってもいいわよ!」
私ははじめての告白にテンパって早口で喋ってしまった。さっきまでの疲れを忘れて‥‥あれ?何で少し回復してるんだろう?
「フッ‥驚いておるの‥わしが最後の‥我が力をわけたのだ‥もう‥駄目だ‥次は‥相棒‥‥」
魔王は息を引き取った。私は魔王の最後の言葉を聞きその場に倒れてしまった。魔王に回復してもらったが体力の消耗が激しすぎて気絶してしまった。
ーーーーーーーーーーー
あれ?ここはどこ?
目が覚めたら猿轡をされ牢屋の中だった。
「おぅ!やっと目が覚めたか!魔王討伐ご苦労さん勇者!あ、もう勇者じゃないわ!もう俺が勇者として魔王討伐したことになってるからな!この勇者の聖剣ありがとよ!ハッハッハッ!こんな上手くいくとは思わなかったぜ!ここは王城の牢屋だ!とびっきりの弱体化する魔法がかかってるから化け物のお前でも抜けだせないぞ!ハッハッハッ!これから魔族全員皆殺しに行く所なんだよ!魔王がいなくなって弱体化してるからな。ありがとうよ魔王を殺してくれて。あ、そうだ!お前の村人達全員処刑しといたよ!もちろんお前の家族もな!ハッハッハッ!おもしろかったぞ!村人みんなお前の事悪くいうなっていってたが、1人ずつ処刑していったら手のひら返してお前の悪口をいっていたよ、自分の命欲しさにな!まあ、お前の家族だけは違ってたがな。
最後はそんな手のひら返しした奴らも処刑したがなハッハッハッ!じゃあな、また様子見に来てやるよ!お前の絶望した顔は最高だ!ハッハッハッ」
名ばかり剣聖の王子が私の聖剣を抱え笑いながら去っていった。
「う、う、う、う、う、」
猿轡をしてるから叫べなかった。村人達を処刑され、私の大切な家族まで‥‥私は何のために魔王を倒したんだ‥‥ 魔王の願いも叶えられないなんて‥‥
もしかして!神様がいっていた悪とは人間だったの!?魔王が勝った方が悪だといったのは‥‥魔王は知ってたのね。私は魔王と一緒に人間達を滅ぼせばよかったんだ‥‥たしかに魔族や魔物はむやみに人間を殺してなかった‥‥人間が攻めて来てたから戦っていたんだ‥‥
私はなんて事をしてしまったんだ‥‥ 私は悲しみに暮れ三日三晩泣き精神が壊れた。
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