37
次に向かった歌唱大会では、ヴァイスくんは国歌を歌って逆無双を見せた。
「あぁー我々のー、ストレインー王国ー」
『おッ、驚くほど声に抑揚がなぁぁいッッッ! 王子似のくせになんというザマでしょうッ!? これは新手の国家反逆なのかァーーーッ!?』
「う、うぅうう……!」
司会にボロクソに言われ、観客たちにもゲラゲラ笑われるヴァイスくん。
こりゃある意味珍しい一面を見ちゃったわ。
この人、駄目なところは本当に駄目なのね……!
「ヴァイスくん、歌唱大会で国家反逆扱いされる人初めて見たわよ。逆にすごい才能じゃない?」
「うぅ……俺はむしろ国家反逆された側で……」
「だからそういうのコメントに困るわよ!?」
はい次行くわよヴァイスくん!
◆ ◇ ◆
次に向かったのはカードゲーム大会よ!
実は今、『モンスターズデュエル』っていうカードが周辺領地で大流行しててね。
プレイヤーたちは
ちなみに、
「行くわよォーーッ! 『
『き、決まったぁーーーッ! 領主レイテ様優勝です! 流石はこのゲームの開発者ッ!』
「いえーーーい!!! 開発者だから無敵でーーーす!!!!!!!!!」
そう、なんとこのゲームの開発者はわたしなわけ!
いや~ここまで流行るとは思わなかったわ。
最初はハンガリア領の特産品を作るために考えたのよね。
魔物が押し寄せる地なんだから、いっそ魔物をモチーフにしたグッズでも作っちゃおうかなって。
それで収集性や遊戯性持たせるためにカードゲームにしたら大ヒットよ。おかげでかなりのお金になってるわ~。
「ふむ、ルールはわからんが楽しそうだなレイテ嬢」
「楽しいわよ! ちなみにヴァイスくんたちを買ったお金も、民衆たちからの税金+このカードゲームで稼いだの!」
「俺はカードで買われたのか……!?」
微妙な顔をするヴァイスくん。
まぁいいじゃないの、どんな方法で稼ごうがお金はお金よ。
「今度ヴァイスくんもカードにしてあげましょっか? 名前はそうねぇ、『
「む、よくわからんがカッコイイな……!」
わ、ヴァイスくんが上機嫌になった。よかったねー。
「そうだっ、わたしがカードを教えてあげるわ! デッキ貸してあげるから!」
「むむ、だが俺は物覚が悪いし不器用だぞ……?」
「大丈夫よっ、決闘女王のレイテ様が優しく教えてあげるから~~~!」
「悪の女王じゃなかったのか……?」
こうして過ぎていく『大仮装祭』の時間。
わたしとヴァイスくんは花も団子もそっちのけで、平和に楽しんだのだった!
また来年も一緒に回りましょうね~!
「――『
「ぎゃあああああゲーム開発者なのになぜか負けたあああああーーーーーッッッ!?」
無駄な才能発揮するなチクショーーーッ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます