『やわらかな光』
やわらかな光はいつも私の手をすり抜ける。
近くに現れた光に手を伸ばして触れたと思った瞬間、形を変え遠く離れる。
他に見える光には既に誰かがいて私が近づく余地はない。
また近くに光が現れた。私は触れようと伸ばそうとした手を止め、そのやわらかな光へと飛び込んだ。
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木々が立ち並ぶその合間を暖かな風が吹き抜ける。
枝葉たちが一斉に騒ぎ出してはまた静かになり、声を潜めていた虫たちが代わりにと鳴き始める。
絶えず声があり続ける空間に木漏れ日が降り注ぐ。
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