謎のビデオ電話

天川裕司

謎のビデオ電話

タイトル:謎のビデオ電話


お姉ちゃんが精神を壊して

ずっと家に閉じこもってる。

私は何とか助けようと、

最近になり、毎日連絡していた。


(ビデオ電話)


「ねぇ、まだつらいの?」

姉「いや、そんなことないけど…」

「だってもう4ヶ月よ?」

姉「…まだ4ヶ月よ…」

「はぁ。なんでそんな風になっちゃったの!?」


お姉ちゃんがどうしても直接会うのは嫌だと言って、

ビデオ電話で連絡し合ってる。

精神科医に聞くと

対人恐怖症の気(け)もあるんだろうと、

私はそれに配慮していた。


「ねぇお姉ちゃん、それだったら一緒に病院へ行こうよ!行ってちゃんと治そうよ!私もずっと一緒に居るから」


姉「はぁ…」

少し大げさに「はぁ」と溜め息をつく姉。


姉「もう少し…時間…」

「そんなこと言ってたらいつまで経っても治んないわよ」

姉「のろいから私…」

「…は?のろいって何よ」

姉「ついこないだまで治るかなとか思ってたんだけど…でも治んなくて…」

「だから…!」

姉「気をつけてるのよ、アタシだって…毎日の生活…」


いつもこんな調子。


姉「ツワリみたいな苦しさもあってね…」

「…ツワリ?…何言ってんの?」

姉「仮病みたいに思われるかもしんないけどさ…」

「仮病…とかツワリって、どう言うことw」

姉「乱暴な言い方しないでよ…」

「何もそんな言い方してないじゃないアタシ」

姉「…連絡くれて、でも嬉しい…」

「…ねぇ、なんだかさっきからさ、話噛み合ってないみたいなんだけど…」

姉「てか、私もそう思う…」


これも精神の乱れが為す業なのか?

そう思いながらまだ話を続けてた私。


姉「ルンルン気分になれないのよ、どうしても…」

「…ねぇ、今日は会えない?もし会えるんだったら」


「一緒に病院へ行こう」

って言おうと思ったんだけど、


姉「頼むからその話はもうやめて」

といつものように否定してきた。


「どうしてよ…」

姉「すべてはあの時から…」

「………?」

姉「仮病を使おうとしたあの時から…」

「…………」

姉「…天罰が下るのかも…」


「…もうほんっと訳分かんない!もうイイわよ!」

そう言って、その日は速攻で電話を切ってやった。


それから私はすぐに警察へ駆け込んだ。

まさかとは思ったけど、万が一に備えて。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=MLRR22Bv_CY

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謎のビデオ電話 天川裕司 @tenkawayuji

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