第44話

「2年生」


今日は3年の卒業式だ

例年はどこも全校生徒の前で

卒業証書を渡したりするが

俺たちが何か悪さをすると

思った学校側が

3年だけの出席とする事になった


卒業式に全く会えなかったが

JJの集会などで、顔を会わせる

ので特に気にしなかった


涼が

『あっけなく卒業してったな、

もう春休み終わったら2年だぞ』

俺は

『まっしょうがねーだろ、

もう3年は眼中にねーから

俺たちがTOPだ』

聖川が

『俺たちの2年の教室一階だってよ』

『何で?3階、2階、1階って

降りてくから2階だろ?』

『俺たちが階段登ってく時に

1年とか3年に会わせない為だよ、

暴れるから』

涼が

『何だよそれ、どれだけ危険なんだよ』

と笑った

俺も

『分かるけどよー、卒業式に

欠席とか色々と決まりを変えすぎだろ、

だったらこっちもって暴れんだよ』

聖川が

『階段上がるのダルいからいいけどよ、

陸の言う通りだな、また荒れるな』


と話していると

光ちんと龍善が来た

『よー』

『おー陸ー』

といつも通りパチンとハイタッチをして


光ちんが

『2年になった始業式に3年のとこ

行って、俺たちが頭だって

分からせに行くぞ、

文句あるヤツいねーだろーけど、

いたら全滅にする』

『いいねー光ちん』


とパチンとハイタッチをした


龍善が

『他の学校にも文句言うヤツいねー

だろ?

浦学の3年はJJだし、

薪ヶ丘もいねーしな』


涼が『とうとう名実共にってやつか』

俺が『お前は下っぱからやり直せ』

『何でだよバカ』

『えー?俺とやりますか?』


いつも通りのバカ騒ぎをしている


龍善に

『あっ龍善学ランの刺繍仕上がった

んじゃねー?』

『おお、横須賀に取りに行かねーと』

『今日行くか?付き合ってやるよ』

『ああ、悪いな』

涼が

『俺も一緒に行くわ、今親戚の家

にいて横須賀なんだよ』


涼の家は両親が若くして亡くなり

親戚の家にいるので、

たまに親戚の都合で

他の親戚の家に世話になる事がある


龍善が

『んじゃ行くか』

と言い


光ちんが

『ジャニーKの周り気を付けろよ』

『あーこの前ボコって来たわ、

カツアゲしようとしてきたからさ、

あと電車の中でも』


皆んな爆笑した

『お前達何で買い物しに行くだけで

何回もボコってくるんだよ』

『しょーがねーよ、なぁ陸?』

『あれは仕方ない売られた喧嘩だし、

カツアゲしようとすんだぜ?』

『お前ららしいよ、じゃあ行って来い』

『ああ、またな』


と皆んなに言い

今日は隠してある単車に久々に

乗って行く事にした


龍善はバブ俺はGS400

涼は龍善の後ろだ

2台とも風防にアップハンドルに

3段シートに直管だ

エンジンをかけると

“ゴロゴロゴロゴロ"

旧車独特の怒っているような音

に吸い込む音が最高だった


"ブォーブォンブォン

ブオオオオンブォンブオンバーブー"


コールを切り吹かしながら

走っていると

見慣れた車があった

"プアーーーン"

当時は売っていたメテオとゆうホーンだ

1度クラクションを鳴らすと

ずっと鳴り続ける


窓が開き、忍さんと徹さんだった

徹さんは幼馴染で兄貴の後輩だった

このコンビは上の世代では兄貴を除けば、

1番有名だ、現役の浜連の暴走族でもある



『よーいい単車乗ってんなぁー、

次のコンビニで合流しようぜ』


と言うので、手を上げた


俺たちは単車を降り、忍さんと徹さんも

降りてきた、

忍さんが

『よー、なんか偶然よく会うな、

龍善といつも一緒なのか?』

『お疲れっす、いつも一緒って

わけじゃないけどいい仲間です、

あっこいつは涼っていいます』


涼は忍さんと徹さんを見てさすがに

緊張気味だ、有名なのは勿論だが

今日は徹さんは派手なスーツにパンチパーマ

もろにヤバい人だ


涼は

『初めまして、帝南で同じ中学の

大森涼です。』

としっかり挨拶をした

徹さんが

『おう、いいガタイしてんじゃねーか

特攻服似合うんじゃねー?』

涼は『あ、いや、そんな事ないです』


俺は見ていて突っ込んだ

『お前いつもみてーにしろよー、

ゴリーバカー』

涼が小さい声で

『うるっさい、緊張してんだバカ』

と言うと皆んな笑いなごんだ


龍善は

『お久しぶりです、忍さんサンタフェの

スウェットいいですね、

徹さんのスーツは自分にはまだ

早いっすけど』


忍さんが

『分かってんなー、龍善!!』

と背中を“バンバン"叩いた

徹さんも

『いやー、スーツも似合うと思うぜー、

着なくなったのおろしてやるよ』

『すみません、ありがとうございます!!』


徹さんが

『お前達の単車か?』

俺が

『はい、CBXとかフォアもカッコいい

んですけど、2気筒の爆音を

吸い込む音がたまんないんですよ』


徹さんが

『単車が好きな気持ちは分かるし、俺たちも

無免で乗ってるし分かるんだけどな、

事故った時、悲しむ家族とか、仲間、

女がいる事を忘れんなよ』

忍さんも

『テクニックつくまで

せめてコルクメットでも被ったら

どうだ?日章カラーとかなら

カッコつくし、

それからこの前、横須賀のヤツ

ボコったろ?』


『はい、カツアゲしようと

してきたんで』


徹さんが

『喧嘩はしょうがなくって時に、自分の中の

大切な物とか、大切な人を守る為に

思いっ切り力を使ったらどうだ?

そうゆうのもカッコいいぞ、

まだ分かんねーかもしれんけど』


『心配してくれんのは分かりますけど、

まだ俺たちがちゃんと理解するには

早いです、俺たちの仲間でも止めてくれる

仲間はいますし

でもムダな喧嘩は減った方なんすよ』


といいドヤ顔をし、笑顔を見せた


忍さんと徹さんが

『そっか、いい仲間を持ったな、

悪かったな説教くせー事言って、

龍善と涼も悪いな』


『いや、全然です、正直心配して

親身になってくれて、上部だけじゃなく

本気で気持ちの強い先輩は中々いませんから』


『そう言ってくれると嬉しいよな?』

と忍さんと徹さんが顔を合わせた


『あっ兄貴が出て来る時期が大体

分かりました、伸びなければ

あと2、3ヶ月です』


“!!"

『出て来んのか流さん!!

これ騒ぎになるぞ、陸くんのとこ

弟もいたろ?』

『はい、います』

『3兄弟かー、兄弟で暴れんのか?』


『いや、兄貴が以前の仲間と

どうするか分かんないですし、

弟も巻き込みたくないんですよ、

勝手に広めるとまた切れるんで、

流さんと徹さんの胸の中で収めて下さい』


『ああ、そうだよな、分かったよ、

流さん陸君がヤンキーになるの反対

だったから、覚悟しときな』


『あざっす、分かりました』


忍さんと徹さんは

飲み物と肉まんを買って来てくれて

『また会おうぜ』

と直管にフルスモークのクラウンで

走って行った


俺たちは肉まんと飲み物を飲んで

『カッケーなやっぱ』

初めて会った涼も

『ああゆう人が本物って言うんだろうな、

尊敬するわ』

『ああ、あれで最強って言われてる

コンビなんだもんな、説得力あるな』

『つーかお前の兄貴その上だろ?

どれだけ怖えーんだよ』

『まぁ帝南を仲間を作らずに

1人で頭になって、1人でこの辺を制した

ってくらいだ』


………

涼が『関わりたくないっす』

龍善が『すげーな、伝説になる訳だ』


俺はエンジンをかけ

『まっ兄貴は兄貴、

先輩は先輩だ、行こうぜ』

と言い

『龍善もエンジンをかけ走り出した』

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