第42話

「仲間の憂鬱」


もう勝負はついた

さすが龍善だ

こんな化け物が何人もいれば

そりゃ横浜南地区を制圧

出来るよなぁと思った


龍善に

『どうだこいつ?』

と聞くと

『強いってゆうかナイフ振り回してる

だけじゃん、まぁでも雷神は作らなきゃ

ならねーしな』

『雷神になりてーヤツを

集めてタイマンでやるか、

コイツがこれでも懲りずに

向かって来たらでもいいか』

『ああ、そうしよう、確かに

コイツは俺たちが管理するのは

分かるわ』

『嫌いだけどな、雷神になったら

刃物は厳禁にするけど』


と話し

俺は森に

『次は俺がやるからよ、

刃物に頼ってるようじゃ

俺たちには一生勝てねーよ』

と言い


龍善は

『真人達にコイツしつけろって

文句言わねーとな』


と真人の名前が出ると焦った顔をした


森は

『真人達はもう同じ学校じゃないから』


と言うが

『関係ねー、テメーみてーのを

のさばらしたアイツらの罰だ』


と言い俺たちは美術室を出た


龍善に

『あいつ真人達にめっちゃビビってんな』

と言い

『小さい頃の恐怖は残るからな』


と話しながら歩くと


豊に

『見事復活じゃねーかよ』

と龍善が言い

俺もホッとしていた


豊は

『お前達見てるとまだまだだなぁ

と思い知らされるわ』


と笑っていた


廊下を3人で歩いていると

光ちんと聖川に会った


光ちんがいつも通り

『イェーイ陸ー』

『おう、光ちーん

と変わらずハイタッチをした


まぁ正直このイェーイと

ハイタッチは何の意味があるのか

分からなかったが

なんか楽しいので、会えば

ほぼ必ずやっていた


『おー、龍善ボンタンに長ラン

やっぱ似合うな、

つーか顔に血が付いてんぞ』

と言うと

『風神背負うからよ、今刺繍頼んでんだ、

この血は返り血だから

問題ねーよ』

『やっぱお前等揃うと

さらにこえーなー、はっはっはっ』


と笑い、聖川もため息をつきながらも

笑っていた


『今日の放課後この前の喧嘩した

ヤツらをローラー公園に

呼んだからよ、久々に集会だぞ』


と光ちんが言い

『ああ、アイツらか分かった』

と答えた


『お前等今日はどっか行くなよ、

色々アイツらの立ち位置とか

決めなきゃならねーから』


俺は光ちんに

『大丈夫だって、帰り一緒に

帰ろうぜ』

と言いタバコに火を付け

さて、寝るかなと

思いながら廊下を歩き出すと


聖川に

『後で教室でな』


と言われ、

『おう』


と答えた

何かあんのか聖川と思い

屋上で寝るのはやめて

教室で寝た後タバコ吸うかと思った


一眠りした後教室から見えるベランダで

タバコを吸っていると

聖川が

“ガラガラ"

と扉を開けて出て来た


聖川に

『よう、お前なんかあったか?』

と聞くと


『ん、いや特にねーけどな

ちょっとな、なんか色んなヤツ集めてよ

知らないヤツと組織化するって

楽しくやっていけんのかなぁってさ』


『そりゃそうだろー、上下関係が

強くなっていくと嫌でも命令とか

必要になるし、だから俺は立場は

何でもいいけど、暴れまわるから

治外法権が1番いいんだよ、

まぁ暴走族とかよりマシだと思うよ』


『ふーっ、俺たちもJJの先輩達

みたいになれるかな、無理に

人数増やすのは反対なんだよ』


『俺が思うにお前次第じゃねーか?

俺と龍善は仲間だし、幹部だけど

バイカーとは違うし、まとめるのも

命令されるのも嫌だから今の立ち位置

だし実際No.2はお前だと思うよ?

それに、この前は仕方なく

傘下に入れるしか収まりつかなかった

んじゃねーかな』


『何だよ、やっぱ結局お前らがJJに

入らないのも原因だよなー、

ワガママなヤツらだよな本っ当』


聖川に向かってベロを出し

『残念でした、ワガママ出来なきゃ

突っ張ってる意味ねーからよ』

と笑い


『お前の為なら困ったら

必ず力になるから安心しろよ、

だから少し力を抜けよ』


と言うと

聖川もいつもの笑顔に戻り


『ま、悩んでても仕方ねーしな

お前の生き方がたまに羨ましいよ、

たまにな?』


と言うと聖川は笑って肩パンしてきた


でも、俺は聖川のように冷静で

普通のヤツとも仲がいい

聖川が羨ましかった


いつものジュース買いに行こうぜ

と言い

学校の前にある、500mlのメロンソーダを

買いに行った

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