第13話

「一年戦争」




今の幹部の中で、

入学当初から

俺、光ちん、豊、有村

それに龍善とゆう

仲間がいた。

有村は不良というわけでもなく

悪い事もしないので

一緒にいたヤツと

いった感じで

他のこの四人は幼馴染で

当然のように

仕切ろうとして

ほぼ制圧した

その時


他勢力の

聖川、涼、政、

の三人が幼馴染だった

事もあり、

この三人とは

敵対する事になった


まず龍善が間違いなく

1番強いだろう

聖川に

喧嘩を売ったのが

始まりだった


龍善の実力は

相当なものだ

一発か瞬殺だな

と思いながら


最後には

龍善は光ちんと

頭の座をかけ

タイマンはるだろうと

俺は思っていた


だが聖川は

そう簡単な相手

ではなかった


龍善は持ち前の

運動神経と

習っていた空手で

うまく“急所"

人間の体の

正中線、真ん中に

ストレートパンチで

綺麗に二、三発打ち

体勢が崩れた聖川の顔面に

かかと落としを

入れたが

聖川は

一向に引かず

鼻が折れたか

血を流しながら

ブチ切れた聖川は

龍善の襟を掴み

背負い投げを

投げた


俺たち幼馴染は

"すげーな"

と声には

ならなかったが

予想以上だった


龍善が体を

捻り着地し、

太もも、顔面と

2段蹴りを入れ

さらに顔面に

ハイキックを入れ

足払いで聖川を倒し

馬乗りになり

殴ったが、

聖川は上手く

反転したが、

立ち上がった瞬間

龍善は思いっ切り飛び

顔に膝蹴りから

体が折れた所

もう一度飛び蹴りを

顔面に入れた


普通なら

とっくに終わる

展開だが

聖川はまた

投げの体制に

入ったが、

今回はフェイントを

入れた

背負い投げからの

腕関節をとった

完璧に龍善の

右腕をロックしている


『マジか』

俺たちは呟いた


龍善は

『折れるもんなら

さっさと折れ』

と言った

ここまできたら

勝つには

折るしかないのだが

聖川は折らない

ギリギリまで

龍善の腕を捻り

素早く

腕関節を外し

首をヘッドロック

のように腕で首を

絞めに入った


聖川が

『ここから

出来る攻撃は

ほぼねー、諦めろ』

と言ったが

龍善は

一度体を下げ

『ガァッ』

と体を一気に捻り

下から上へ回りながら

バンザイするように

ヘッドロックを

ほどいた


龍善は腕を押さえながら

前蹴りで壁へ

"ドン"

と押し付け

顔面へ頭突きを

繰り返した


それでも聖川は

倒れない

ここまで一時間以上

ずっと殴り合っている


そう、聖川は

倒れた事を

見た事がないほど

根性が座っている上強かった


このタイマンを

見ていて誰でも

思っただろう

聖川も龍善も死ぬまで

終わらない

最悪どちらか危ないと


止める事も忘れて

その姿を見ていた


龍善が

『こいついいな、

すぐに幹部だ』

と言い


鼻は折れ、

口の中がズタズタに

なって血だらけでも

聖川は

『上から物言ってんな』

とまだ殴りかかったが


政に止められ


聖川は

『お前等カッコだけ

かと思ったけど、

本当につえーな』

と言い龍善も

『お前もな、喧嘩は

これで終わりだ』

と言った


俺たちは

『龍善と対等にやれるのか

いるもんだな、すげーヤツだ

どっちが勝ってもおかしく

なかったな、あの根性と

投げと関節はやべーな』


と話していた


次は政が出て来た

龍善が続けて

やろうとするが、


俺が

『おい、ちょっと待てよ

俺の番だろ』


と言い前に立った


龍善が

『あいつは空手を

習ってるぞ』

と言うが

『俺には

当たらねーよ』

と言い


タバコに火を付けた

瞬間

パンチが飛んで来たが

左に避け

カウンターで

右クロスを顔に入れた

そのままタバコを吸い

くわえタバコの

状態で

軽くフェイントを入れ

隙が出来たところを

思いっ切り飛び

階段を上がるように

腹下、みぞおち、アゴと

三段蹴りを

入れた

思いっ切りアゴに入れ

大分フラフラ

しているが、

まだ殴りかかって来る


避けてはカウンターを入れる

同じシーンを何度も

繰り返しているようだった

タバコはとっくに

消えていたので、

吐き出して

こいつもやっぱり

根性も動きもいい相手だった

なめてかかるのはやめ


しっかり構えて

仕留めに

入った


初めて俺から

殴りかかった

軽いジャブを二発

アゴに入れ、

顔を守ろうとした所

思いっ切り

腹にパンチと膝蹴りが

連発で入り、

頭が下がった所を

顔に膝蹴りを入れ

髪を掴み、

壁に何度も叩き付け

うずくまると

かかと落としを

入れた


それでも

体当たりしてきた

ので、

そのまま

腹から背中を両腕でもち

全力で持ち上げ

政を逆さまにして

そのままプロレス技

のように

頭から落とした


こいつもまだ

立とうとする

姿を見て


『コイツもいいな

幹部だ』

と言った

コイツもまだ殴り

かかるが手は出さず

避けて、捌いていく


『ハァ、ハァ、

何で当たらねーんだよ』


と政に言われると

当たり前のように

『俺、動体視力が

めっちゃいいんだわ

今まで殴られた事ねーし』


(そう、俺は

空手の相手でも

キックボクシングで

歳上との練習試合でも

首から上に当たった事がない)


幼馴染の仲間が

『あれは反則だよな』

と言い


政は

『ははっ、俺は

強かった?』と

聞くので、

『ああ久々にちゃんと

 構えたからな』


と言い握手をした。


次は涼だ

熊のようにデカいのが

前に出て来た


残り二人

どっちだと言い


光ちんが

『あれ言われたら

俺だな』

と言い

『久々に本気出せそうな

奴らだな』

と笑い


前へ出た瞬間

涼の腹へ蹴りを入れ

肋骨を折った

『がはっ』

と涼が完全に

くの字に曲がった所

顔面へさらに蹴りを入れ

鼻が折れた

『このぉぉぉ』

と怒号を上げ

頭から突っ込んで

いくが

この瞬間

誰も思っていなかった

事が起こった


腹にナイフが刺さり

血でワイシャツが

ドンドン赤くなっていく


努だった


何を思ったのか

涼を刺したのだ


『俺もやれるんだ』

『俺もやれるんだ』

と呟いている


これを見て

光ちんは切れた

『てめぇ』といい


太ももに蹴りを入れ

『ぎゃ』と努が言うが

そのまま首へ

ハイキックを入れ

努は気絶した


俺たちは

涼の所へ行き

『おい!!大丈夫か』

と言いながら

『救急車を呼べ』

と一般生徒に言った


涼が

『このガタイが役に立った』


と言い少し笑った

光ちんが

『お前も幹部な

まだまだやる事があるから

早く戻って来い』


と言い

『努のヤツとち狂い

やがって』


と言いながら

さらに蹴りを入れた




校内でこれだけやり、

刃物まで、

見つかったので

全員警察で事情聴取を

受けたが、

全ての罪を龍善が被った

当然、龍善だけが悪いわけでは

なかったが、全部俺が

一方的にやったと

罪を被ったのだ。


ちなみに涼の怪我は

幸い大した事はなく、

二週間ほどで

退院した。

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