第11話

「体育祭本番」




いよいよ今日が

体育祭本番だ

仲間達はそれぞれ

一段と派手な

外見で学校に来た


俺は変わらずの

(短ランにボンタン)

バイカーファッションの

仲間達は

ほぼ私服で来ていた

ジーンズに革ジャン

頭にはバンダナを

巻いたり、

モヒカンにして来たヤツ

サングラスを

かけてるヤツなど


遠くからでも

すぐに分かった


それぞれ近づいて行くと

『よー、そのバンダナ

いいな、買ったの?』

『ああ探してたヤツ

売ってたんだ』

『緑のモヒカンは目立つな』

『これセットしてねーと

ヤバいけどな』

と笑いながら

十数人で開会式中

真ん中を突っ切り

"道が開いた“

気が付かないヤツなど

道が開かない所は

殴り倒して行った


『よし、さっさと

始めろよー』

『最後しか用はねーんだ』

など

ヤジを飛ばしながら

用意させた

ブルーシートと

クーラーボックス

を置き花見でもするように

観戦していた

半場で応援団の

登場があり

光ちんの紅組には

『いいぞー

気合い入ってんなー

白組殺せー』

など応援を全員でし、

対して白組の番が来た

瞬間

『てめー引っ込んでろー

死にてーのか

おい紅組に喧嘩売ってんのか

殺してやるからよー

動くなよー』

と怒号と空瓶までが飛んだ

俺が『ちょっと

ぼこっちゃおうかなぁ』

と言うと

涼に『警察来てるから

やめとけ』

と言われた

そう、必ず騒ぎを起こし

一般の保護者や来賓に

被害が及ばないように

途中私服警官が来ていた


俺は

『ちょっと小突くくらい

競技のうちだろ』

『何の競技だよ』

と言われ笑って

座り込みまた寝ながら

タバコを吸うと

『誰か壁になれ』

と聖川がいい

十人ほど前に立ち

幹部はタバコを吸って

残っているビールも

全て飲んだ


『うぜーなうちばっか

警戒しすぎだろ』

『体育祭に警察は

聞いた事ねーよ』

と話し

『騎馬戦で暴れるのも

なしじゃねーか』

『クソが』

といいながら

一升瓶を校庭へ投げ


俺が『もう楽しみは一つだな』

聖川が『ああ、政には

頑張ってもらわねーと』


と話し合い

その時を待った


リレーが始まった頃

俺たちは動き出した

(紗夜を見ると大丈夫)

と合図がきたので


二手に分かれた


土台の登場だ


次のもの借りリレー

に備えて、

裏に置いてある

土台を確認して

問題なかったので


リレーが最後の一走に

なった所で

光ちんが

応援団の学ランのまま

合流し、

『せーのっ』

と全員で言い

グラウンドの真ん中へ

押して行く

(あれ何)

(何か競技に

必要な物残ってる?)


と知らない声が

聞こえたが

とにかく重いので

夢中で押して行った


豊達がもう一つの

バカデカい

薬玉を持ってきた


土台の上に

棒を差し、

上手くセットした


俺たちは土台の前で

『政ー根性見せろよー』

と言い


政は

(本当にありがとう

といい顔をした)


『大丈夫かな』

『俺たちに出来るのは

ここまでだ』

と話しながら


結末を見送った


(まず政の走る最終コース

の選手には1番は

譲れと名一杯脅した)

(次に政に渡す紙には

好きな人と書いてある)

(奈々とゆう子には

紗夜が前で見ようと

声をかけやすくなり)


(放送部のアナウンスには

最後の競技は一位だけ

表彰式があると言えと

メモは渡してあり)

準備は万端だ。


『よーいドン』

"パン"

とゆう音と共に

一斉に走り出した


政は本気で走り

受けった紙を

握りしめ


奈々の所へ向かった


『一緒に来てくれ』

『えっあっはい』


と奈々は言い


"政は奈々の歩幅に合わせて

スピードを落として

手を握りながら

走り抜けた"


俺たちは無言で

見ていた


全員走り終わると


『一位は二組の

一条君です』

とアナウンスが流れた


この種目では表彰式が

ありますと

アナウンスは

続く


政が向かって来るので

俺たちは遠慮して離れた


政は表彰台へ上がり

『奈々ちゃん一緒に上がってくれ』

と言った

動揺して周りを

見ながら

照れた顔をしながら

2人は表彰台で

少し間を置き

次のアクションを

待った時


(後ろに隠れていた

メンバーが政が

買った花束をうまく

政の後ろ手に渡した)


全校生徒+保護者や

先生などの前だ

さすがに緊張しているが

心を決め


『お願いがあります、

聞いて下さい』

と奈々へ言った


奈々は無言で振り返る


『ずっとずっと好きでした

付き合って下さい』


と真っ直ぐ目を見て

気持ちを伝えた


奈々は一度下を向き


『お願いします』


と言った


花束を受け取った瞬間


特大のくす玉が開き


“おめでとう

幸せになれよ“


と垂れ幕が落ち


中から金色の折り紙が

2人を祝福した


“全校生徒が拍手と

おめでとうと

狂喜乱舞した“


『わっ』と

2人はビックリしながら

"涙を流した"


俺たちは舞台へ

向かい

『ジャマするもんが

何かあったら言えよ』


『良かったな』


と言い教師がいる

場所へ向かった

(これ以上いるのは

藪蛇だと思い)


教師や校長の所で

『こうゆう事だったんだ

納得しただろ』

と言うと

校長が『ええ、悪さに使わないと

約束を守ってくれました』

『ただ、費用に30万円

かかりました』

と聞くと

『マジで!?

何買ったんだアイツら』

と言い

光ちんが『分かった、今回の

借りは返す』と

『二週間校内で暴れねーよ』

と言った


毎日ガラスを割り授業に

ならない状況を

考えると

かなり譲歩した方なんだ


校長達はビックリ

した顔をして

『大切な友達なんだね』

と言った

『仲間は命より大切だ』

と笑顔を作り


学校を出ようとした

時、校門に警察がいた

『お前等本当は

全員補導だぞ』

と言われ


いつもなら

突っかかっていくが

今日から二週間は

校内では問題を起こせない


聖川が『残念だけど、

あんたらの相手は

出来ねー』と言い

俺も『何もしねーよ』

と言い

光ちんが

『バカの相手は

二週間後な』

と言い帰った


それでも嫌な気分は

すぐになくなった


仲間が幸せでいられる

代償がこれで済むなら

何度でもやってやる


本気で思った

中学一年生のガキの

小さな恋の話だった

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