第1話

「みてみて!桃先輩(モモ)だよ!まじで顔整いすぎ!

朝からみられるとか、今日絶対いい一日になるわ~」


「でも朝から学校の校門で立って何してるんだろうね?

挨拶でもしてみる?」


「えーー!むりっ!緊張しすぎて喋れん!前通るだけでも緊張する!」


なんて、私と同じ制服を着ている女生徒2人組の会話が前方から聞こえる。


そして、その噂の的になっている人物を捉える。


学校の校門に寄りかかり、組まれた足は嫌味なほどに長く、


やけに白いシャツが似合う白い肌に、携帯を持つ腕は細いのに筋肉質を感じさせる。


携帯を見つめるために下を向いている顔は、長い睫毛が影を落としていて、


濡れたような黒髪は風にゆれて爽やかさを感じさせる。


人形のような整った顔は動くことなく、冷たい印象を与える。


今日もやけに目立っている。


この学校1有名な 呉羽 桃井(くれは とうい)先輩(3年)は




私の彼氏である。





桃井先輩との距離が近づいたところで、センサーが反応するかのように


突然顔を上げて、私を見つけた。


そして、その冷たい印象を与える顔を破顔させて微笑み


「笑眞、おはよう。」と声をかけてきた。


自然と私の前を歩いていた、先ほどの2人組にも見えているわけで、




「っっっっ/////むりっ///しぬっ////」


「・・・・/////」


速足で校舎へ駆けていった。


それを遠目に、まだ微笑んでいる先輩に


「おはようございます。ところで、朝から校門で何してるんですか?」


と尋ねれば


「今日は早起き出来たから、笑眞におはようって直接言おうと思って。」


「あぁ、そういえば今日LIMEでおはようスタンプなかったですもんね。


それ伝えるために何時に学校着くかとか聞いてきたんですね。」


「うん。それより、ちゃんと挨拶返して。」


「え?おはようございますって言いましたよ?」


「違う。名前までちゃんとゆって。」


「え、、、おはようございます。桃李先輩?」


「ん、」


満足そうに校舎へ足を向ける先輩。


え、、、


朝から刺激が強すぎます。先輩

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