第3話 忘却のグラジオラス編①
ーー君のことが好きだから、君を手放すよ。どうか君が本当に好きな人と結ばれますように。
愛されたくて伸ばした手を離されて、私は気づいてしまった。
私は確かに愛されたかったけれど、誰でもよかったわけじゃない。
あなた様だけを私は永遠に思い続けているのーー。
「姉ちゃん、
「お、ありがとー。助かる!」
「まぁ、樹姫はかわいい姪っ子だからね。子育てもひとりじゃ大変だろうから手伝うよ。それにしてもなんで姉ちゃんはあんな良い旦那さんを手放しちゃったのさ」
「あはは……まぁ、私のわがまま、かな?あの人は悪くないよ」
言えるわけがない。
直樹が好きだから別れただなんて。
だって、クローバーもプロテア様も直樹も。
大好きなんだもの。
今度こそ、私があなた様を守ります。
私も転生して、あなた様についていきます。
誰よりもそばにいて、その命を守りますーー。
そのために私は“姉”になることを選んだ。
今度こそ失わないように。
悲しい終わりを迎えないようにーー。
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