第7話ルート

「しかし、本当によく似てるわね」

「まるで、双子みたい」


阿井トオル〈アイドル〉と、河合唯〈女子高生〉

そして、唯の友達の真紀。

男子生徒の5人組は、近くの公園にいた。


「学校はいいの?」

「今日はテスト最終日だから。そちらこそ仕事は?」

「今日はオフ。学校は芸能科だから特殊なんだ」


こうして、話しているとごく普通の高校生みたいだ。

学校に通っていたら、こんな生活だったのだろうか?


「しかし、トオルちゃんも贅沢ね。儲かってるのに、普通の生活したいなんて」

「確かに収入はあるけど、殆ど事務所に取られて、私のところには殆ど来ないの」

「いくらくらい?」

「月にこのくらい」


トオルは、人差し指を立てる。

人に指さすのは失礼にあたるのに、この名前はおかしいとおもう。


「10万か・・・」

「0がひとつ多い」

「1万?そんなもの」


傍から見ているほど、華やかではない世界。

服も衣装なので、撮影が終わったら返さなくてはならない。


わりとシビアな世界なのだ。

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