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「だって、七咲さんの彼女になれたら…、
また可愛いって言ってもらえるかなって。
私可愛くなりたいんです、七咲さんのために可愛くなりたい。」
やばい、キュンときた。
恋愛に興味無いし、近づく人もいなかったから真っ直ぐな気持ちがどストレートに効く。
僕は自分のために可愛くなりたくていたが、
彼女の誰かのために可愛くなりたいって気持ちがとても魅力的に見えた。
その相手が僕と思うと可愛い人だなって純粋に思えた。
「だから、男の人が好きでもいいんです!
私、我慢します!尊重します!」
と続いた言葉で一気に冷めた。誰が男を好きだって?
鈴森さんは勝手に盛り上がって叶わない恋のヒロインのようにううっ、と涙を溜めた。
「せっかくのメイク崩れるから泣かないで。
ほら、上向いて。」
彼女の目をティッシュで軽く押さえると涙が滲んだ。
ウォータープルーフを使ったからアイラインは無事そうだった。
「あのさ、勘違いしてるところ悪いけど
僕別に男が恋愛対象なわけじゃないから。」
「違うんですか!?」
違うよ…と少し取れたアイシャドウを直していく。
最後にオレンジブラウンのリップを塗り鏡を見せると、鈴森さんはキラキラと目を輝かせ柔らかい笑みを見せた。
「七咲さんすごいです!私がしたのとは全然違う!ありがとうございます!」
「どういたしまして。
…僕、恋愛ってあんまり興味なくてさ。
それに鈴森さんのことまだ知らないことが多いから、
お付き合いは出来ないけどまず友達から始めない?」
というと彼女は嬉しそうに微笑んでよろしくお願いします!と握手をした。
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