結婚致したくありません

@sacura

第1話


私は理解していた。

隣国の王子様と結婚しなくてはいけないこと。



この人と結婚しなくてはいけないこと。

私には好きな人がいましたが、この銀髪と結婚することに決めました。


「王女様、金色の髪が綺麗ですね」

「はい、」



私はメイドのメリーに整えた髪の毛を結ってもらった。

今日は私の結婚式。もう25歳の私に手を差し伸べたのは本当の王子様だった。


ガラスの靴なんてないのにおかしな話よね。

本当に好きなのは妹のリリィなのに。


リリィを好きでいたから、殺すとまで言われてしまった。

その為に私は家族と一緒に家を出ず、一人、王子様の元へ向かった。


助けてくれたのは有り難いけど、私の何が良いのかしら。

きっとお父さんもそう思っているはず。


でも母親が犠牲にならなくてよかった、妹のリリィも殺されずに済んでよかった。


だから、私は大勢の前で婚約発表をしたのだ。

民衆が群がる中で、私は好きな人と結ばれないお姫様だった。


見初められただけで、嫌いとも言えなかった。

だって、彼のことをまだ知らないから。


「イブ、おいで」



きもい、と言う感情を押し殺しながら。

私は王子様の元へ行く。ベッドが軋み、致すことはなかったけど。

おでこにキスをされなかった。



「は、」


意外だった。

まさか初夜がないなんてビックリしたのだ。


「君は育まなくていいよ、第二妻の位置で構わないから」

と王子様は言った。



愛さなくてもいいのかしら。と私は思った。

なら、どうして私を選んだのか理解できなかった。



次の日、私は王子様と寝ることを決意した。

でも、何度も何度も拒まれた。



じゃあ、私なんて意味ないじゃん!と結婚を致したくありません。と断った。


「王子様って私のお姫様だよね」と嫌味を言うと。

私にキスをした。


気持ち悪いキスだった。

舌は入れられるし、胸は触るし、オマケにメイドのメリーの前でするなんて。


嫌だった。のか?


よく分からないけど嫌らしい気持ちになった。

ロリータコンプレックスか?と思ったが、彼は最愛の人を見つけているみたいだ。


私なんてお払い箱じゃん。

なんて考えをする。


本当に好きなのはあの人だってことに私はまだ気づかないでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

結婚致したくありません @sacura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る