第181話

誕生日を迎え、22歳となった夏。学年でいえば大学4年生。



星來は事務所の一室で、マネージャー、そして事務所の社長秘書の男に呼び出されていた。



「響木一弥君との一件ですが、サニーファクトとの均衡を保つためにも、しばらくメディアへの露出を控えようと思います。」



大学の3人組に見せられた一弥との画像。『HANZO』で、朱朗の応援係であるはずの星來が、一弥の隣に座っていたとネット上の小さな話題になっていた。



SNSで拡散され、星來が悪者扱いされている状況だ。




「響木くんとは学友で親しいのは分かりますが、サニーファクトからの圧力がかかれば、いくら有名脚本家のひ孫である風音さんでもこの世界にいられなくなる可能性だってあるんです。」


「……すみません。」


「しばらくは謹慎ということで、この機会にゆっくり休んでください。」



謹慎処分となった星來だったが、自分が悪者扱いされている側でよかったと感じていた。



仕事で一弥に迷惑をかけたくない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る