第134話
その日はドラマ撮影が早めに終わった星來。夕方、スポーツジムで信じられない光景を目の当たりにする。
「ねえ、何してるの。」
「なにって、見てわかんない?」
「分かりかねる。」
朱朗が柄にもなく両足でダンベルを上げている。
星來が通うスポーツジム。専用のトレーナーに体型維持のための食事管理と筋トレ、有酸素運動のプログラムを組んでもらっていた。
しかしその日は、なぜか朱朗もいた。
「聖來のスポーツウェア、もうちょっと露出あったほうがよくない?」
「…………そうね。」
「え、どしたの。いつもなら『キャーあろくんのエッチー』とか言うのに。」
「…………そうね、あろくん。」
ダンベルを上げる朱朗の隣のランニングマシーンでウォーキングをしていた星來。開いた口がふさがらなかった。
なにがおかしいかと言えば、自分よりも露出のあるスポーツウェアを着た女性がいるのに、目もくれずに足の筋力を鍛えているのだ。
そういえば、まくり上げたTシャツから覗く上腕二頭筋も程よく育っている気がする。
21歳にして早くも夜の生活に支障が出始めたのだろうか。さすが、早咲きのクズは通る受難が違う。
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