沖縄の掃除屋、巫女と一緒にゾンビに挑む!

@zpa

第1話静かな日常

13:00


まだ夏の余韻が残る沖縄の午後、北村優斗(29)は原付で那覇市の自宅から浦添西海岸ショッピングセンターへちむかっていた。彼の仕事は、オーシャンクリーン株式会社の清掃部門で、ここで清掃責任者として働いている。タイムカードを押し、制服に着替えた優斗が清掃員控室に入ると、既に準備を終えた上原隆うえはらたかし(46)がいた。


「お疲れさん、優斗。今日は2階のトイレでまた詰まりがあるらしい。あと、3階のゴミ回収にクレームが来てるってさ」


上原は苦笑いしながら、照屋てるやからの指示が書かれたメモを優斗に見せる。優斗はうなずき、業務の段取りを確認する。


「了解です。詰まりの対応は僕が行きますよ。上原さんは3階のクレームの方、お願いしてもいいですか?」


上原もうなずき、二人はそれぞれの持ち場へと向かった。


14:00

優斗は2階トイレでつまりを確認し、専用の器具を使って作業を進めていた。詰まりの原因は紙詰まりだった。配管の奥で詰まっていたが、手際よく解消する。


「最近、トイレのトラブル多いな・・・」


独り言をつぶやきながら、優斗は作業を終えると、スマホに届いた新しい通知を確認する。WAX作業に関する見積もりの依頼が来ていた。


「また、WAX作業の依頼か・・・月末にまとめて処理しないと。」


優斗はため息をつきつつも、メモを取り、照屋と見積もりの相談をする必要があると考えながら次の仕事へ向かう。


17:00

休憩室に戻ると、パートの織田美香おだみかがコーヒーを淹れていた。優斗は彼女と軽く挨拶をかわし、話をする。


「最近、北谷の方で行方不明者が増えてるって話、聞きました?」

美香が不安そうに話すが、優斗は気にしないふりをして笑顔で返す。


「まぁ、ここには関係ないでしょうしね。でも、そういう噂って気になりますよね」


二人はそんな会話をしながら、しばらく休息をとった。


22:00

優斗と上原は今日の業務を終え、タイムカードを押して控室を後にする。上原が駐車場へ向かうのを見送りながら、優斗は原付に乗り込んだ。


(明日もまたこんな感じだといいんだけどな・・・)


優斗は心の中でつぶやき、夜の道を那覇市の自宅へと戻っていった。平穏な日常の中に、少しずつ忍び寄る影に気づくことも無く。

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