第134話

「 確かに。ユウミの世界は不甲斐ないね。

じゃあさ。僕と恋人同士になってみる?

タイムリミットまでの期間限定。

実は、僕にもちょっと事情があって

そういう相手を探していたんだ。 」



ゆっくり時間をかけて

君と"運命"を築きたかったけど

もう無理だ。

だって、もう君と出会ってしまったから。

また君と出会ってしまったから。


諦めに近い感情に、僕は笑ってしまう。


・・・


そんな僕とは正反対に

君はキョトンとした顔をする。

そうだよな。

不安だよな。


そんな君の顔を見て、

少しだけ平常心を取り戻す。



「 2日に一度のこのコインランドリーでは

僕たちは恋人同士。

お互いの事情については深くは聞かない。

ユウミのタイムリミットが来たら

僕は黙って去る。

これなら問題ないでしょ? 」



何だか安っぽい恋愛小説みたいだけど

どうしても君と今から恋人同士になりたくて

食い下がる。


君の様子を伺うと

先ほどとは逆に期待に満ちた表情をしている。


やっぱりガードが緩すぎないか?

本日3度目の心配になる気持ちを抑えて

あと一息、君を口説く。



「 どうする?この話に、乗る? 」



君の答えを聞かせてよ。



『 乗る!!乗ります!すごく楽しそうだし、

反抗してる感じが素敵な気がする!!

リョウジ、宜しく。私、頑張る!! 』



「 反抗って何?親に?

ほんっとおもしろいね。 」



上手くいった。


僕の口車に乗せられてすんなり恋人になった君。

可愛いな。


"あの子"より素直だ。

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