第78話

その夜は、二人で私の家に帰宅した。


どちらからともなくキスをして。

どんどん夢中になっていく。



「 リョウジ。私だけを見て。

その人のこと、私が忘れさせてあげる。 」



リョウジが緩やかに微笑む。



『 そんなことしなくても、僕はもう

ユウミのことしか考えられないよ。 』



・・・


その夜は、濃密で優しくて温かくて。

この世にはもう二人しかいないような。


そんな夜を過ごした。

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