第41話

「 ごめんなさい。本当は好きじゃなくて。

好奇心で近づきました。

男の人ってどんな感じなのかなって。 」



正直に話す。



『 じゃあ、僕が全部教えてあげるから。

とりあえず、中に入らない?

土屋さんの家が嫌なら、僕の家でもいいよ。

ここから近いから。 』



そう言って、私の腕を掴んだ。

そして、にこっと笑う塚本くん。



「 でも、今の塚本くんは、なんか怖い。 」



『 大丈夫ですよ。さすがに嫌がる土屋さんに

何もしないから。だから、入ろう? 』



塚本くんは、今まで毎日優しかった。

きっと話せば分かってくれるかもしれない。

とりあえず、一緒に家に入って説明すれば

許してもらえるだろう。


もともとは、自分が撒いた種だ。

自分で解決しなければ、誰も助けてくれない。



「 分かった。

じゃあちゃんと説明するから、上がって。 」



鞄から鍵を取り出す。

エントランスの鍵を開けた。

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