第1話
中、高、大学までの一貫校。
高校から入学した私に周りは無関心だった。
「途中から入って来た凡人に話し掛けられるのは迷惑です。」
ただ彼が落としたシャーペンを拾って渡しただけなのに、私は訳も分からず眼鏡の奥から睨まれた。
結局彼にはシャーペンを受け取ってはもらえず、他のクラスメイトも必要以上に私に話しかけてはこない。
でも私は、不思議とその扱いが嫌じゃなかった。
男子校であるこの学園で、男装している女が男子たちから空気のように扱われる。
非常に楽だ。進展のないストーリー、大いにけっこう。
でも2年生の3学期になった今、私の安息の日々は脅かされつつあった。
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