第3話 「私の好きなもの」

学校の帰り道。

洋服屋さんのショーケースが視界に入った。

なにこのドレス。めっちゃ可愛い!

でも、私なんかが着たら気持ち悪いよね…。

なんて思っていた。すると

「西川、なにしてんの?」

と同じクラスの山本君に話しかけられた。

私はその場から逃げてしまった。

なんで逃げたのか、私にはわからなかった。


翌日、学校で山本君に話しかけられた。

「昨日どうしたの?大丈夫?」

私は小声で「大丈夫…。」

と言った。

「俺でよければだけど、なんかあったら相談乗るよ?」

私は、この人になら本性を打ち明けてもいい。

そう思った。

「私実は、女の子になりたいの…。」

ついに言ってしまった。

嫌われた。そう思ったけれど

「そうなんだ。」

山本くんは驚きもしなかった。

「私、気持ち悪くないの?"男の子"なのに、女の子になりたいんだよ?」


「何が気持ち悪いの?ドレスを見ている西川さんの目はキラキラしてた。自分の好きを貫いてる人は凄くかっこいいよ!」

こんなに自分の見方をしてくれる人は

初めてで、凄く嬉しかった…。


「山本君、ありがと。」


でも、私の好きってなんだろ…

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