「あの祠壊したんか...!?」「なら儂と異世界に行くぞ」

永寝 風川

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「あの祠壊したんか....!?」


「すいません!本当にすいません!」


俺は山を管理している、お姉さんに頭を何度も何度も下げる。


「やったぁぁぁぁ!!やっと帰れるぅぅぅ!!」


「え?」


突如お姉さんが僕の手を掴み走り出すと、裂け目みたいなのが現れてそこに飛び込んだ。


「え?え?」


「さぁ!儂と来てもらおうかの!」


これはそんな、祠を壊したら異世界転移した話だ。


何があったのか俺の自己紹介をして説明しよう。


俺の名前は刀風 花道たちかぜ はなみち

現在中学二年生で昔見たアニメの影響で厨二病が発症した人間だ。

燕返しとかの色んな技を使いたくなった俺は、祖父にお願いして夏休みと冬休みに剣術を教え貰ったりしてたんだけど。

ある日祖父の家の近くの山で自主トレをしていた時に、その山の管理者と名乗る花見 桜はなみ さくらさんというお姉さんと出会って仲良くなり、今日も自主トレをした時に謝って古びた祠を壊してしまったんだ。


それをお姉さんに報告して謝っていたら最初のようにお姉さんがおかしくなっていって...


「少年よ!この儂!!いや、神刀しんとう花見はなみ】を使い世界に名を轟かせるのじゃ!!」


「え?は?」


いつの間にか俺の手を掴んでいたお姉さんの姿はなくなり、そこには桜の花びらが飛び散った装飾の刀が握られていた。


「さぁ、付くぞ!」


そして白い光が俺の視界を奪った。


...目の前には緑の草原が広がっている...


「えっと....異世界?」


「そなたにとってはそうじゃな!さてさて!早く儂を使って敵を倒して名声を轟かせるんじゃ!」


俺の手に握られている刀からそう声が聞こえる。


「え、えっと...さくら....さん...ですよね?」


「そうじゃ!しかし本当の名前は神刀【花見】!この世界を作った付喪神の1人じゃ!!」


「情報が多いぃ!!説明をください!!」


「むぅ...しょうがないのう....まずわしはな?元々この世界を作ってから信仰されながらおったんじゃ...なのに...!あいつ!黒雲のせで..あの世界に飛ばされ封印されとったんじゃ....」


「色々...あったんですね...?」


「だがようやく!ようやく!あの祠を破壊してこの世界に戻ってこれたんじゃ!というわけで信仰を戻すために手伝ってくれぬか!」


「...いや...帰りたい...」


「色んな技を実践で使える上に、神様直伝の技を教えるぞ?」


「信仰手伝うっす!」


「ふむ、良い心意気じゃ!それじゃあ早速敵を倒すかの?」


「え?」


俺が桜さんの目的のために上手く丸め込まれた要な気がするが、とりあえず桜さんが言ったように周りを確認すると、赤い肌の300cmぐらいの大きさの巨体で頭に角が生え、恐ろしい顔を持つ生物がこちらを見ていた。


「赤鬼だ、気をつけよ」


「分かりました、桜さん」


俺はそう言って手に持った刀を抜く、刀身は先は綺麗な桜色だが柄にかけて薄い紫色に変わっていて美しいと感じる。

しかし見とれる暇もなく赤鬼はこちらに走り向かってくる。俺は祖父が教えてくれた剣術を早速使う。


「....引形ひきがた...【後月あとつき】」


俺はそう言って、足に力をいれて赤鬼の腹部に刃を押し当てるとノゴキリのように刀を引いた。しかし真っ直ぐ引くのではなく後ろ斜め横にだ。

着地をして相手見ると横腹から血が流れていた。


「ぁ...」


一瞬ダメージを与えたことに喜んでいると、敵の拳が俺のほを掠めると、同時に俺は横に軽く吹っ飛ばされた。

運が良かったのか、体制を上手く整えることが出来着地する。


「これが鬼か...」


「やつの弱点は角じゃ」


「それを先に言え」


無意識に口調が変わる。

それと同時に、自分の体が軽く...いや、どちらかと言うと無駄な筋肉を使わない最適化されるような感覚になる。


「す、すまんかったな...ほ、ほら神様パワーで強くしてやったぞ?もっと私を楽しませよ」


「もちろん」


俺は再び刀を構え鬼を見る。

敵がこちらに向かってくると同時に俺は跳躍して、敵の頭より高く飛んだ。

槌形つちがた焼民打やけみうち】!!」

俺は大声でそう言い放ち、手に力一杯の力を込めて槌の如く赤鬼の角に刀身を叩きつけた。


すると赤鬼の角が粉々になり、刀が赤鬼を真っ二つにした。

そして赤鬼は倒れて体を灰のようなものに変えて空へ飛んで行った。


「倒した?」


「そのようじゃの...というかお主!あまり乱暴な扱い方をするのでは無い!一流の鍛冶師の刀じゃなければさっきの技で粉々になるぞ!?」


「確かに...叔父がそんなこと言ってたような....」


「お主なぁ...まぁ今回はわしの凄さを見せつけれたから許そうではないか」


「ありがとうございます」


そんな事を言っていると、体がさらに軽くなった気がする...いや、内側から体全体に強化されたような...ゲームで言うレベルアップみたいな感じなのか?


「そういえば、桜さんって...」


「桜という名は偽りの名と言ったじゃろう?わしの名前は花見じゃ!はーなーみ!」


「でも僕は桜さんって呼びますね、こっちの方が慣れてるので」


「ふん!まぁよかろう...さて、花道よ」


「なんですか改まって」


「近くに街があるようじゃ、ワシが教えてやるからそこに迎え」


「分かりました」


俺はそう返事をして言われた通りに歩き始めるのだった。

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「あの祠壊したんか...!?」「なら儂と異世界に行くぞ」 永寝 風川 @kurabure

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