第14話
今どきのラブホって駅前のホテルとそう変わらないらしい。QUONやMo-mentみたいな派手さがない。仄暗い暖灯が、ひっそりと辺境地に佇む魔王城を下から照らしている雰囲気だ。
ひと気のないエントランスに入っても、キラ君の足取りは至ってリズムを崩さない。
私の足取りは、緊張のあまりどう表現していいのかよく分からない。
「部屋のカギが開いた時点で、テッテレー♪みたいな効果音が鳴ったらミウさんを殺るかもしんない。」
「キラ君、今年の騙された大賞に出れるほど人間が形成されてないじゃん。」
「人間失格なの俺?」
「うん。」
カードキーにより開けられた錠が赤から緑に点灯して、キラ君の後ろ姿が、“もう後戻りできんよ。”と私を諭してくる。
猶予なんて、あってないようなもの。
「その人間失格者に処女を捧げるそっちはなんなの。」
ドアが開けられて、腕を強く引かれて。そのまま広いベッドへと投げるように倒されて。
一連の作業が目まぐるしく描写を刻んでいく。
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