One∶ 🐜
第7話
深夜2時。休日前の仕事は、いつだって終わりを楽しみに熱が入りすぎて、身体を酷使してしまうもの。
「ミウちゃん、本当に辞めちゃうの?ミウちゃんがいなくなったらQUONの売上ガタ落ちなのよぉ。」
オネエの店長、
「何言ってるんですか。QUONにはサヤ姉もコマキちゃんもいるし、Mo-menntoの誰かさんの売上で補填することだってできるじゃないですか。」
「あら、Mo-menntoとは散々張り合ってきたってのに、随分と信頼してる言い草じゃない?」
「もう辞めるんでね。どうでもよくなっただけです。」
「んもう!ミウちゃんったら、ほんっとクールなんだから!お客さんにもメンバーにも何も言わずに辞めちゃうなんて!」
「てへ。」
店長には最後に暑苦しい包容をされて、耳元でこう囁かれた。
「今後もヘルプで呼ぶかもしれないから覚悟なさい。」
いくら裏社会の圧をかけられたところで、私の中での線引はキッチリしている。線引を到達した時点で、もうこの世界に用はないのだ。
だからここでは、必要以上にメンバーとは関わってこなかった。
それなのに、なんでこいつは顔を合わせる度に突っかかってくるのか。
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