第2話

「うーっす」 

「オツカレサマー。」



ゴミ捨て場のある裏の路地。



情緒あふれるネオン街の裏側は、今やサイバーパンクと持てはやされている。『風俗街の本性』などとは誰も呼ばない。



白、時々、紫のネオンで彩られるうちの店、『QUONクオン』はキャバクラだ。



その隣には、黒と赤の外壁が交互に並ぶホストクラブ、『Mo-menntoモーメント』があって。



キャバとホストじゃ同じ土俵とは呼べないのだけれど、同じ系列店ということで、いつも売上金額を張り合っていた。



「駅でキラ君とピンクロリータが歩いてるの見たよ。あれ彼女?」

  

「同伴出勤な。おや?妬いた感じ?」


「あ、ほっぺにピンクのキラキラついてる。」


「とって。」


「クイックルワイパーで?」


「できればミウさんの可愛い“お手て”で。」


「両手可燃ゴミで塞がってるから無理。」



だから『QUONクオン』のNo.1ホステスである、私ことミウ(源氏名)と、『Mo-menntoモーメント』のNo.1ホストであるキラ(源氏名)も、ライバル的なあれ。



ライバルってだけで食いつかれがちな、あれ。

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