14
次の日の朝、好美と安藤は待ち合わせをして、一緒に学校に向かった。
そこにはもう、暗い顔をした好美はいなかった。
どこにでもいるような女子高生の笑顔がそこにはあった。
相変わらず父親は冷たく好美にあたっていたが、そんな事はもう気にならなくなっていた。
心を許せる友達を見つけた好美の目には、希望が生まれていた。
今はまだ見つからない夢も、きっと見つかる。
根拠は何も無いけれど、好美の心にもう迷いは無かった。
「遅刻しそう、急ごう」
好美が急いで走り出そうとした時だった。
安藤の前から好美が消えていった。
安藤の視線の先には、もう好美はいなかった。
「好美ちゃん?」
安藤はすぐに状況を把握する事は出来なかった。
「もしかして……?」
安藤はふと思った。
「地獄……通信……」
二人がいた場所から少し離れた先に、高笑いをする一人の女子高生。
「落ちぶれたあなたはいらない。あなたはずっとトップでいなければいけないの」
そこには、あの佐藤が立っていた。
憧れ以上の崇拝にも似た感情を持っていた佐藤は、成績が下がり落ちぶれていく好美を見ていられなかったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます