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國本から転校生の話を聞いてから1週間。
転校生が来る日。
好美は、いつものように通学していた。
駅を降りて、学校が見えてくると、一番最初に目に入ってくる場所。
それは、毎朝好美が楽しみにしている弓道場。
朝日がまぶしい中、凛としたいでたちで弓を引く男子。
それは、好美が密かに思いを寄せる紺野直登。
弓道部のエースで長身。
爽やかな紺野は、学校でも人気が高い。
好美にとっては近づく事も出来ない存在。
それ以上に、好美には恋をする余裕は無かった。
朝日に照らされて、まっすぐに弓を引く紺野をほんの少しの時間眺めるだけ。
それでも、好美にとっては数少ない勉強から開放される瞬間だった。
この時に好美の表情が一瞬だけ普通の女の子になる事を学校の誰も知らない。
校門に差し掛かると、好美はいつもの表情に戻る。
「おはよう相田」
校門には國本が立っている。
「おはようございます」
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