第52話




「………っ、朔くん。」


「うん?」


「覚悟なら、朔くんと付き合い始めた頃からあるよ。」




強い眼差し。







じっと涙を溜めた瞳で、俺を真っ直ぐに見上げる神無に目を細めた。




「ーーーなら、」




神無へと、手を差し伸べる。




「行こう、神無。」


「うん。」




しつかりと頷いた神無の手を握り締めて、俺達は莉茉さんの元へと向かった。









外は、どしゃ降りの雨。






雨雲が、空を黒く染め上げる。









雨は、





………………まだ、止まない。

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