第41話





「ふふ、莉茉も同じ幸せを感じてる?」




大切な親友を、思う。










今頃、彼女も、幸せに包まれているだろうか?











そうであれば良い。







莉茉の最愛の人、朔くんのお兄さんの、温かな腕の中で、幸せである事を願う。








明日も。




明後日も、彼女が幸せである事を。











ーーー私は、そう疑いもしなかった。




「………………え…?」




緊張感を孕んだ朔くんの声に混じり、真っ暗に染まった空から雷鳴が轟く。








豪雨となった天気が、私の胸の中に、消えない不安を落としていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る