第40話




「朔くん、早く出ないと。」


「………、うん。」




慌てて促せば、朔くんは渋々、自分の携帯電話を、耳に押し当てる。




「ーーーーーはい?」




通話を始めた朔くんの腕の中で、横目を滑らせて、私は窓の外を眺めた。









寂しくて。




孤独に溢れていた、あの頃。









………………でも。





今は、朔くんが私の側にいてくれるから、こんなにも幸せを感じられる。









あの頃の、痛みや苦しみ、孤独があったからこそ、気付く事が出来た。






………そう、私は思ってる。








全てにおいて、意味のない事など、ないんだ。

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