第27話



「………、朔くん。」


「うん?」


「嵐、になるのかな?」




見つめる先は、漆黒の闇。








ぽつぽつと、降り始めた雨は、段々とその激しさを増していく。









それは、まるで。






………………荒れ狂う、獣のよう。




「さぁ、それはどうだろう。」




小さく、朔くんが笑う。




「晴れると良いね、朔くん。」



「うん、そうだね。」




2人で寄り添い合って、黙ったまま、暗く、淀んだ窓の外の空を見上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る