第25話



「銀次、組員も数人、ここに来させろ。」




この場の、制圧。






呆然としたままの、水瀬茉莉の確保。






やる事は、山積みだ。











時間がない。






あの莉茉ちゃんの状態を見た限りでは、おそらく一刻の猶予もないだろう。




「………………っっ、莉茉ちゃん…。」




銀次の返事もろくに聞く事なく、莉茉ちゃんの元へと、俺は走り出す。











駄目だよ、莉茉ちゃん。






暁を置いていっちゃ。





何がなんでも、生きなくちゃ、駄目だ。






………………莉茉ちゃんに辿り着くまでの道が、とてつもなく長く感じた。

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