第11話・忘れちゃいけない浴衣がはだけた夏祭り……ついでに百合女たちが大暴走!海で由比覚醒!

 祭り囃子はやしと祭り太鼓が聞こえる夜祭りの神社に、浴衣姿の夕夏たちは来ていた。

 夜店が並ぶ通りを、一般人に紛れて進む百合女たち。

 夕夏が浴衣姿の摩樹奈マキナを見て言った。

「浴衣を着た時くらい、その頭の角を外さないの?」

「これは、わたしの〝うれピー〟だ……この角が頭に無いと、落ち着かなくてな」


「それなら仕方がないけれど……ところで、リリンのその浴衣はなに? どこに、そんな浴衣売っていたの? 自作の浴衣?」

 リリンは、お尻の所に丸い一つ目のような模様が描かれた変な浴衣を着ていた。


 リリンが浴衣のお尻を、夕夏の方に突き出して言った。

「見てわかりませんか妖怪『尻目』です……お尻を触ってもいいんですよ」

「遠慮しておく」

「じゃあ、こんなのはどうですか?」

 リリンが開いた手の平には、目が描いてあった。

「妖怪『手の目』です……実はここにも、目があるんですよ」

 そう言って、めくり上げた浴衣の袖下そでしたには、連なった目が描かれていた。

「妖怪『百々目鬼』です……さらに、こんな所にも目が」

 リリンが浴衣のすそを少し開くと足にも、目が描いてあった。

「妖怪『百目』です……まだ見ますか? 恥ずかしい場所の近くにも目が描いてあって」

「見ない!」

「そんなコトを言わないで……背中にも目が描いてあるんですよ、浴衣を脱がして確認してもいいんですよ」

「見ないってば」


 その時、飛んできたコルクの栓が夕夏の浴衣の襟から谷間に転がって侵入してきた。

 射的の銃を持った巫女が、夕夏に近づいてきて言った。

「こちらに、射的のコルク玉が飛んで……あっ、夕夏の胸の谷間に挟まっていた」

 浴衣姿の巫女は、いきなり夕夏の浴衣の胸元に、手を差し込んでまさぐる。

 悲鳴を発する夕夏。

「ひッ⁉ なにを?」

「コルク玉が、胸の奥に転がり落ちてしまった」

 巫女の手はズンズンと奥の方に侵入してきて、夕夏の乳首を摘んだ。

「あったあった、あれ? 取れないぞこのコルク玉」

 夕夏の浴衣の中で勃った乳首を引っ張る巫女。

「やめてぇ、それ射的のコルク玉じゃない……ヒィィィ」


 巫女が夕夏の乳を弄んでいると、今度は星美が金魚すくいの水を、金魚ごと夕夏の浴衣に向ってスイで飛ばした。

「大変です、宇宙からのメッセージで金魚救出すくいをしていたら、夕夏さんの浴衣の下半身に金魚ごと水が飛んで濡れてしまいました……さあ、浴衣を脱ぎましょう」

 星美が勝手に夕夏の浴衣の帯を緩める。

「ちょっと、なにやっているの! ワザと金魚飛ばしたでしょう! あたしの、浴衣を脱がすな!」


 今度は背中に何かが、ピトッと触れる感触がした。

 ススキが屋台で売っていた、ケチャップ付きのフランクフルトを夕夏の浴衣の背中にワザとくっつけて汚した。

「大変です、夕夏さんの浴衣の背中にケチャップが……さぁ、あたしと一緒にトイレの広い個室に入って汚れた浴衣を脱ぎ脱ぎしましょう……ハァハァハァ」


 どさくさに紛れて、愛娜とリリンが夕夏の浴衣の肩を脱がして露出させる。

「ピピピ……ご主人サマ、脱衣のお手伝いをします……ブラジャーの肩紐が邪魔ですね、ズラしましょう」


 マキナが浴衣を脱がされている夕夏の姿を〝昭和レトロなポラロイドカメラ〟で撮影する。

 フラッシュの光りが、脱がされている夕夏に向けられ。

 撮影されてカメラから出てきた即席写真を眺めながら、満足そうな笑みを浮かべるマキナ。

「〝しょうゆ顔〟だな〝チョベリグー〟で〝マジ卍〟」

 泣き出しそうな顔の夕夏。

「勝手に脱がされている写真を撮らないでください! なんですか? その変なカメラ?」


 何かを企んでいそうな顔をした詩南が、水ボンボンで遊びながら近づいて来るのを見た夕夏は。

 アリンコのように群がって体を触ってくる百合女たちを振り払って、半裸状態でその場から逃げた。


  ◇◇◇◇◇◇


 下着丸見えの浴衣を羽織っただけの姿の半分放心状態の夕夏は、神社の裏へと逃げてきた。

(なんなの、いったい……あたしが何をしたたって言うの)

 パニックで思考回路が、停止気味の夕夏の目に待っていたように縁側に座っている、マシュマロの浴衣姿が映る。

 団扇うちわで扇いていた、マシュマロはいきなり乳房を露出させて夕夏に言った。

「さあ、夕夏ちゃん授乳のお時間でちゅよ」

 引き寄せられるようにフラフラとマシュマロの牛のような乳に近づいた夕夏は、マシュマロの魔乳を吸う。


 母乳を無心で吸っている夕夏の頭を、母性のマシュマロは優しく撫でながら言った。

「赤ちゃんになって、いっぱい、吸いなさいぃ……いい子、いい子」


 夜空に打ち上げられた花火を、横目で見ながら夕夏は心の中で。

(あたし、いったい何をやっているんだろう……同性のオッパイ吸って?)

 そう考えて、段々と百合の深みにハマっていく自分が、怖くなった。


  ◆◆◆◆◆◆


 数日後──百合女たちは、夏の日差しが照りつける海水浴に来ていた。

 砂浜で各自がそれぞれの、海の楽しみ方をしている。

 夕夏は妄想百合女たちから、離れた場所でビーチシートの上でうつ伏せで寝ていた。

 百合女たちは、チラチラと夕夏の方を見て、隙をうかがっている。

(なんで、あたしだけ百合女たちは狙う……百合同士で楽しめばいいじゃない)

 砂浜に寝そべる夕夏の近くに、明らかに怪しい金属のカニが近づいてきた。

 少し離れた場所でコントローラーを持った梨絵が、興奮した、表情で夕夏の方を見てる。

(夏祭りに来ないで、こんなモノを作っていたか……あの女)

 カニから梨絵の声が聞こえてきた。

《夕夏は人魚かも知れないから、水着をカニバサミで切断して……胸と下半身を確認……ハァハァハァ》

 夕夏は即座に機械のカニを破壊する。


 遠目に砂浜をこちらに向って、這ってくる不自然なウミガメの姿を夕夏は確認した。

(あれは、リリンか……なんで、ウミガメのコスプレを?)

 少し考えていた夕夏は、なぜウミガメなのかを理解した。

「あ、そうか……人魚のコスプレだと砂浜に上陸できないからか……『亀女』?」

 遠方から「おうっ、おぅっ」と呻きながら、産卵のために上陸してきたリリンの亀女を無視して寝そべっていると、近くにいた由比が日焼け止めオイルを手に言った。

「背中に日焼け止め、塗ってあげようか」

「お願い」

 由比が夕夏の背中に日焼け止めを塗りながらしゃべり続ける。

「あたし……目立たない地味キャラだとか、存在感ないとか、夕夏の付属品オプだとか、いろいろ言われてきたけれど」

 由比の指先が、夕夏の背中の筋を撫でる。

 軽く撫でられただけなのに、夕夏の口から「ヒッ⁉」という、快感の声が漏れる。


「偶然に近所に住む、一子相伝の経脈経穴ツボの達人百合女性と知り合ってね、気に入られて百合経脈の秘孔を伝授されて……この間、やっと免許皆伝に至ったの──直接、あたしの体を使って教えられた」


 由比の指先が夕夏の体の百合秘孔を直撃する、体に電気が走ったような快感に、悦楽の笑みを浮かべた夕夏の体がピクッピクッと痙攣けいれんする。

「あぁぁあふぁぁ?」


 由比が楽しそうな口調で言った。

「ふふっ……この秘孔を押されると気持ちいいでしょう……もう、地味女とは呼ばせない」


 由比の指先が夕夏の秘孔をソフトに押すたびに、夕夏の体に快感が走り、百合行為をしたくてたまらなくなってきた。

「はふぁぁぁ……ダ、ダメェ」

 羞恥している夕夏の姿を見て、顔を赤らめた由比が言った。

「あたしに、百合経脈秘孔を教えてくれた百合師匠は『この技は体の水脈から井戸を探し出して掘るようなモノ』だと教えてくれた……あたしは、夕夏の体の隠れた井戸を掘り当てる……ふふっ、この乾いた百合井戸に刺激を与えるとどうなるかな?」


 由比の指先がグイッと夕夏の体に押し込まれ、夕夏の体が小刻みに痙攣けいれんして乾いていた夕夏の井戸から水が染み出てきた。


「ふはぁぁぁぁぁぁ……誰でもいいから女の人、あたしとキスして……ふはぁぁぁ」

 水着姿の夕夏と由比は、夏の砂浜でキスをした。

「んんっ……んんぅ」


 そして、リリンは夕夏の所にたどり着くのを断念して後ろ足で砂を掘ると、ピンポン玉を卵に見立てた産卵を開始した。

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