第26話
思い出せば、僕の作った料理が
父の口に合わなかった時があった。
すると父は、机をひっくり返りした。
昔で言うちゃぶ台返しだ。
畳にこぼれた料理たち。
それを僕がぞうきんで拾っていると、
父は僕に、
「お前はなにしているんだ、
こぼれても食えるだろう、
早く食え。」
と言ったのだ。
僕のご飯は、父のひっくり返した
ぞうきんについたご飯だった。
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