第37話

「そうですか。とにかく、俺たちまだ諦めてませんから。壮太さんのことも、琴乃さんのことも」



“覚えておいてください”と言い残して俊哉は校舎に入っていった。



「はあ…」



今日は帰ろう。


そう思って来た道を引き返す。


家に着くと、家の前に人がしゃがみこんでいるのが見えた。



「え、琴乃…?」


「あ、壮太。おかえり」



琴乃はニコッと笑ってみせた。


でもその表情は少し曇っていて。

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